KISS


「……!?」


レンと…ひとつ前に並んでいるレンと目が合った。


「ヒナ先輩」


人ごみでその声は聞こえなかったけど、あきらかにそう言ってて…―――



レンが近づく…―――

人ごみをかきわけて…



「ヒナ?どうしたの?ぼーっとして…」


「なんでもな…っ」


急に腕を引っ張られる。


ヒロの手をほどいて…―――




「緋崎っ…!!」


「ヒナ先輩…早く…走って…!!」


ヒロの声がかすかに聞こえる。



でも、人ごみでその声はかき消されて…―――



あたし達は無我夢中で走った。



そして…

その手を離さないように…―――
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