KISS
次の日の朝になってもまだ雨は降っている。
窓を開けて手を差し出すと、昨日より冷たい雨だった気がした。
今日は11時になったら、ヒロが家に来る。
たまたまあたしの親が出掛けるようだったから…。
「…はあ…」
鏡を見ると、泣いて腫れた目。
そうだ。
昨日も泣いたんだっけ。
もう少ししたらヒロが来る。
今は10時50分だ。
『プルルルルル…』
「…あ、電話。」
電話を取るとアヤカからの着信だった。