KISS
ありがとう。
レン。
レンのおかげで、ちゃんと言えそうだよ。
―――「ガラッ!!」
いきなり教室のドアの開く音がした。
「レンっ…!!」
そこには真剣な顔をしたユイちゃん。
「レンが…ヒナ先輩を好きだって…
本当なの?」
こんなユイちゃんの顔、はじめてみた。
そうだよね。
自分の好きな人が、別の人を好きだって…
辛いよね…
「…うん。」
「……」
泣きそうなユイちゃん。
そしてキッとあたしに鋭い視線を向ける。