KISS
―――高校1年の春。
あたしとヒロは出会った。
あたし達は当初、
「クラスメイト」
という、ごく普通の関係だった。
「その…名前なんていうの?」
きっかけは、ヒロのその一言。
「…ヒナ。」
ぶっきらぼうに答えたあたしに、ヒロは笑顔で言った。
「俺、ヒロタカって言うの!!
ヒロタカって呼んで!!」
「…めんどい。」
「え…?」
「長ったらしい。その名前。
めんどくさいからヒロって呼ぶ。」
「…っ…うん!!」
にこにこにこにこ。
なにがそんなに楽しいんだか。
それが、ヒロの第一印象。