ダイスキなアイツ──後輩へ──

出逢い

「よしっ!お前らよく聞け。
今日は何の日だー? 」


「入学式だー! 」


「その通り!
というわけで、お前らの後輩がやってくる。この学校は広すぎるため、迷うヤツもいるだろう。
そんなときに助けてくれる先輩ってかっこよくないか?…絶対モテるぞ〜!

そういうわけで迷ってる1年がいたら、助けてやるんだよ、いいな!?」

「 りょーかい!」

─────────────────


俺は、朝の短すぎるHRを思い出した。



この子…1年だよな?



黒い髪をポニーテールに束ねた、小さそうな少女…


迷ったのか、今にも泣きそうな顔をしている。


これは話しかけるべきか、否か。

恥ずかしいなぁ…なんか。


いや、困ってる人に話しかけることが出来てこそ、いい男だぜ。



がんばれ、俺!


勇気を持って、話しかけることにした。

「あのー… 1年? 」


その少女は頷いた。

「もしかして、迷った? 」


少女はさっきよりも大きく頷いた。



「 体育館だよなー…案内するよ。 」







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