フウセンカズラ

バックからちっこいビンを取り出す

五センチくらいのもので
コルクで栓をしている。

その中に今日の朝とった種を
からんと入れる。

半分以上たまった種は
窮屈そうにしていた。

私の席は廊下側の後ろの方
だんだん廊下が騒がしくなってきて
なんだか落ち着かないから
グランドが見える
窓の方に行くことにした。

グランドには朝練をしている陸上部

「朝からよくあんなに動けるよなー」

きがつけば隣になな。

「ななも十分朝からテンションたかいよ?」
「それはやすの声聞いてたから!」

ふーん。とグランドに目をやると
100m走るのか
7人ずつ並びだした。

パンっていうピストルの音とともに
さいしょのメンバーが走り出す

その中に一人。
ひとりだけ。
特別に早いって訳じゃない
でも人の目を引きつけるような
きらきらしたものがあった
< 3 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop