【完】私の彼氏は転校生。


本当に……今日の私、どうしたんだろう。


話しかけられただけなのに……教室にいるだけなのに、ただただイライラして……




私は教室を出たあと、屋上に行った。


屋上のドアを開けると、春の暖かい風が吹いてきた。街には桃の色がちりばめられているように桜が咲いていた。


……ここから……飛び降りたら……死ねるのかな……。


私は柵を跨いで手すりに腰かけた。


健吾……舞……お母さん……一穂……有理……朝田……悠太……ごめんね、もうこんな辛い思いしたくないの……






……――さようなら――……






私は屋上の手すりから飛び降りた。


意識を失うまでの時間に吹いていた春の暖かい風は、とても気持ちよかった。





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