臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
健太の善戦
 ラウンド開始のブザーが鳴り、健太と森谷はグローブを合わせる。


 すぐに構える健太だったが、球技大会の頃からフォームが変わっている。

 サウスポーの彼は右拳が前になる。だがその拳は、最初に教わった頃より随分と前に出ていた。具体的には、右拳が右肩より五十センチ程前である。

 右拳の高さは入部した当時、右肩の高さと習っていた。しかし、今は鼻の高さまで上げているので少し高目だ。

 そして、後ろにある左拳は顎の横ではなく、口の前に置いている。ただこれは、二人の大学生から言われて夏休みから変えている。


 一方の森谷も、康平とスパーリングをした時と構えが変わっていた。

 右のコメカミのピタリと付けていた右拳は、右目の少し下に置いている。

 胸まで下げていた左拳も、健太のように少し高く上げながら前に出す。

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