君とお絵かき

✲蓮視点








「··············」






起きると、そこには莉桜の顔があった。





バッ





慌てて飛び起きる。






「蓮ちゃん·········ッ 良かったぁッ!!」






そう言って、赤く腫れたまぶたをし、抱き着いてくる。




手術の間、ずっと泣いていてくれていたのだろうか。






「手術·········成功したんだよね·········?」




おずおずと聞いてみる。




莉桜は満面の笑みだ。







「─────うんっ!!!」






今までで一番の笑顔かもしれない。




目に涙を浮かべながら笑っている莉桜。






手術が成功した安心感と、莉桜がいる安心感に、私は泣いてしまった。





「グスッ······ヒクッ·········」





「蓮ちゃんっ·········」





「私っ······グスッ 怖くてっ·········ヒクッ···ヒクッ·······怖くてっ·········グスッ·········」




「うん······っ!蓮ちゃんはっ·········頑張ったよっ·········!頑張ったよ·········っ!」





「うんっ·········ヒクッ···大好きっ·········グスッ········良かったよぉ·········莉桜ぉっ·········グスッ····ヒクッ·········」





「うん·········グスッ······うんっ!········ヒクッ········」






二人で泣いた。 また泣いた。




何回泣けばいいんだろう。







「グスッ·········グスッ·········」






泣き虫だ。




私だけじゃない。莉桜も。





「ヒクッ········良かった·········っ」






その日はずっと、二人で泣いていた。




お母さんも、病室の扉の向こうで泣いていたみたいだ。






「······莉桜·········大好き·········」





「私もだよ·······蓮ちゃん·········」





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