蓮月~ハヅキ~

「あ、見えそうかも!!」



あたしの言葉を無視して、ずっとジャンプしていた京香が嬉しそうに声をあげた。



端から京香が跳んでるの見てたけど…あたしが恥ずかしかった。
周りの視線が痛すぎた。




「んー…京香頑張ってー!!」



自分で見に行くのもめんどくさいし…京香に託してあたしは応援に没頭でもしようかな。


「あ、見えた!見えたよ、真鶴!!」



前の人が退いてくれたお陰でクラス発表の紙が見えたらしい京香が、あたしに向かって大声で叫ぶ。


叫ばなくても、聞こえてるのに…
京香が叫んだせいで、あたし達めっちゃ注目浴びてるよ



あたしは、少し京香を睨みながら京香に駆け寄ったけど、当の本人は睨まれてることはおろか、注目されてることにも気付いていない。


京香って将来絶対に大物になるな。


今だって笑いながら


「やった!真鶴と一緒のクラスだ!!」


って喜んでるし。
まあ、そこが京香の良いところでもあるんだけど
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