愛しています
過去Ⅰ
私の気持ち

君は、気づいていましたか??

『ひぇーん、ひっ』

あの頃の私はまだ、小さかった。

だけどそれはあなたも同じ。

同じ年なのに、昔からあなたとは全然違ってた。

君は小さい頃からしっかりもので

みんなから信頼を得られていて。

こんなわがままな私とは大違いで…。

なんでも完璧にこなす君が

まさかこんな私に声をかけてくれるなんて

いつも泣いていた私を、

いつも励ましてくれたのは

君というたった一人の存在だった。

君は、一人ぼっちの私をいつも笑わせてくれたんだ。

そばにいて感じた。

好きだってこと。

もっと一緒にいたいってこと。

『また泣いてるのかよ』
『ひっ、だっ、て』
『ったく…いい加減泣きやめよなー』
『そんな、無理だよ…悲しすぎるよっ』
『だからってずっと泣いててもなんの意味もないぜ??泣いたら何か変わんのか』
『それは…』
『…別にいいんじゃね??』
『へっ??』
『親がいなくたってさ』
『無理だもん…』
『でもさ、気にすることないよ』
『…』
『俺も一緒だから』

この言葉が私を変えさせてくれた。

泣いちゃだめだって、

何も変わらないって、

本当に君の言う通りだったよ。

誰も信じることのできなかった私だったけど

唯一信じられた人。

それは世界でたった一人

凌君だったよ。
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