愛しています
「凌おはよーっ」
「凌、今日もかっこいいねっ」
「生徒会呼ばれたよ!!急がなきゃ」

飛び交う人達の凌君にあてた声。

それもこれも、みんな女の子だった。

「ははっ、ありがとう」

その声はとてもキラキラしていた。

遠くから凌君を見る。

本当、輝いてるな。

すると

「花野さん、おはよ」

と、声をかけてきたのは同じクラスの一ノ瀬君だった。

「おはよ」

最近よく話しかけられるんだよね。

一ノ瀬君、女の子からモテモテなくせにこんな私に話しかけてるし。

私が唯一心開いてる人。

それは凌君だけ。

だからそれ以外の人はなぜか素っ気なく接してしまう。

だけど私は、凌君がいればそれだけでいい。

「今日は暖かいね」
「そうだね」
「あのさ、教室まで一緒行こうよ」

正直、誘われたら断れないタイプ。

「うん」

私は教室まで、一ノ瀬君と行くことになった。

教室につくまでにもう、何人もの女の子が一ノ瀬君に話しかけたのか。

凌君にすこし負けちゃうくらいかな??

だけど凌君とはちょっと違う。

そう、凌君は男女問わずの人気者。

ましては先生方も人気者だった。

いや、先生方だけじゃなく

大人までもがみんな、凌君を必要としていた。

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