Kiss of a shock ~涙と~
思いがけない冷たい言葉に、万理香は動けなくなった。


言葉も出て来ない。


愕然として、それから頬に触れた髪の一筋に我に返った。


「あ・・・そう、ですよね・・・。」


そう呟くように言って、身じろいだ。


「ごめんなさい・・・。」


スラと、音を立てて襖を閉めて、鞄とドレスを抱えて、玄関に向かった。


こっちをちらりとも見なかった。


迷惑だから―の一言で全て断ち切るみたいに・・・。


何故だか、涙が浮かんできて、霞む視界にヒールをじれったく履いて飛び出した。


太陽ばっかりが燦々と照らしてて・・・


私、馬鹿みたいだ。
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