Kiss of a shock ~涙と~
ひとつ、言葉を口にするたびに、胸がズキンと痛んだ。


こいつを傷つけてることに罪悪感を感じてるってことか・・・。


その傷ついた顔を見ているのも辛くて、こうして背中を向けても、後ろで冷たくなる感情が見えるみたいだ。


「・・・じゃあな。」


返事も待たずに歩き出す。


これだけ言えば、もう俺に近付こうとは思わないだろう。


暗闇に染まった健二の心に、この女になら光を取り戻すことができるかもしれない。


健二は、きっとこの女に惹かれるはずだ。


真っ直ぐで―、涙もろくて・・・少女のようなあどけなさの残る万理香に。

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