Kiss of a shock ~涙と~
それは、

俺の理性をぶっ飛ばすには十分すぎるほど、強烈なパンチだった。

ただでさえ、腕の中にいる万理香は可愛くて、繊細で、華奢で、それなのに・・・どうしようもなく愛しくて・・・

「意味、分かって言ってんの?」

万理香はこくりとうなづいた。

マジかよ。

「お前、はじめてだろ?」

万理香はカアッと頬を紅くした。

「いいよ、急がなくて。さっきも言っただろ?」

本心からそう言ったつもりだったけど、今の俺なら軽いジョブでも簡単にやられてしまいそうだ。

「私は・・・。」

「え?」

万理香は、見上げて言った。

その瞳は、うっすらと涙ぐんでいる。

頬は、ほんのりと赤らめて・・・・。

ぐっと・・・それだけで、ぐっときてしまう。

「私は待てません。今、直人さんが欲しいです。」

信じられないけれど、どうやら本気らしい。

直人は、万理香を見つめ返して、それからゆっくりと抱きすくめた。

「スケベだな。」

「スケベです。」

万理香が、間髪入れずに返したから、思わず笑ってしまう。
< 325 / 347 >

この作品をシェア

pagetop