Kiss of a shock ~涙と~
健二が言ったことを思い出す。


身体をちょうだいって・・・言っていたことを。


こぶしを握り締めて、目を伏せる。


考えられない。


健二と・・・なんて・・・。


「恩返しになるだろ?」


ズキン


思わず痛んだ胸元を掴んだ。


ふるふると、浮かぶ記憶を拭うように首を振って、立ち上がる。


精算はもう済まされていてごちそうさまだけ言ってカフェを出た。


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