純愛リハビリ中

Treatment Ⅱ

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週が明けた月曜日、いつもと変わらない日常が始まるはずだった。
だけど朝から営業部には、見慣れない数人の社員があわただしく動いて作業をしていた。
パソコンの導線などをいじっているので、システム部の人間のようだけれど、何事なのだろう。


「ねぇ、あれ……どうしたの?」


何かシステムに不具合でも出たのかと、たまたまそばを通りかかった重森に尋ねてみた。


「ん? メール見てないわけ?」

「え?」

「本社からひとり、転勤でこっちに異動してくるって連絡が来てただろ? その人のデスクまわりの設備を整えてるらしい」


そう言われれば、先週社内メールが来ていたと思いだした。

うちの営業三課に人員がひとり増えるのかと、サラっとメールを流し読んだことだけはなんとなく記憶にある。
どうやら異動日は今日だったようだ。
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