純愛リハビリ中

Treatment Ⅳ

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買い物デートという名のリハビリから、十日が経った。

昼間に楽しく過ごして、そのまま別れる。
そんな健全なデートの良さを思い出した私と斗夜は、三日前の日曜にも会い、一緒に映画を観て過ごした。

映画館を出たあと、カフェでその映画の感想を語りあって帰るだけで、お酒も飲まず、夜の危うい雰囲気もなかった。
会話だけで心が弾んだことが、私たちにはとても新鮮に思えた。


どこか遠くに置いてきてしまった懐かしい感情を、私は斗夜に感じずにはいられなかった。

その感情の名は、もしかしたら“ときめき”なのかもしれない。


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