1mmの恋 .
はなびらの告白

_ ガタッ

休憩時間になり、皆席を動き始める。
私はというと…


「なにぼーっとしてんの、なつ。」
そう名前を読んだのは私の大事な友達、
留田美子。


「ううん、別になにもないよ
 机の音がうるさいなって思って。」

正直に答える。
私と美子は昔からの友達で、
家も近くて親も仲がいい。
私自身近くにこんないい友達がいて
よかったなぁと思ってる。


「んでさ、今日の帰りなんだけど
 翔と帰るから先帰ってて!
 ごめんね!」

美子が言った翔という人は、
美子の彼氏の辻岡翔平。
2人は告白して振られた時に
慰めあってたら好きになったんだって。

「うん、全然いいよ」

「ありがとね。
 ところでなつは気になる人できたの?」

唐突に聞かれたその質問に、
私は焦りながらも考えていた。

「今はいいの、いなくても。
 そのうちきっとかっこいい人が
 私を守ってくれて、恋に落ちるんだ」

そう、引くかもしれないけど、
これが私の本当の理想。

「す…すっごい夢だね、
 でも夢ばっかり見ないでちゃーんと
 現実も見なよ?」

少しニヤついた表情で言う美子に
ムッとしながらも言い返す言葉がない。

「あそこにいる三浦徹平。
 なつの事が好きみたいだよ?」

なにを言っているのか、理解するのに
15秒の沈黙が必要だった。

「って、て、ええええええっ!」

思わず声にしたのを無理矢理
手でおさえる。

「明日告白するみたいだから
 ちゃんと考えてあげな、んじゃね。」

そう言って立ち去った美子の背中を
ながめながら私はとまどいを隠せなかった



_でもこれが運命の出会いになるとは
これっぽっちも思ってなかったんだ。

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