あたしは、悪魔と契約しました。
その声が聞こえるわけがないのに、あたしの想いが通じたように、、、


ピクリッと、哲也は動く。


哲也はゆっくりとあたしに視線を移し、ホッとしたような表情を浮かべる。


「待ってろ。聡さんのこと、呼んでくる」


哲也は立ち上がり、繋がれていた手を離そうとする。


、、、嫌。


そう思い、あたしは哲也の手を出来る限るの力で、ギュッと握った。


行かないで、、、


そう言いたいけど、どうしても、、、


言葉が、出てきてくれない。


その時は、深くは、、、考えなかった。


それに、思っても居なかった。


声を、、、失うなんて、、、


これは、悪魔と契約した、、、


あたしへの罪、、、だったのかな?


なら、あたしの願いは、、、叶ったのかな?

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