鈍感な2人
本物の恋人


「金森君、どうやら俺は、君のことを好きになってしまったようだ。高野にキスされたと聞いて、無性に腹が立った。そして、気づいたんだ。本当は、告白も、手つなぎも、キスも俺が金森君にしたかったことなのだ。」

「…私は、まだ、相沢君のことを好きなのかどうかよく分からないが、高野君にキスされそうになった時は嫌だった。相沢君の時はそんなこと思わなかったよ。不思議だけど、そうなんだ。」

「「そして、動悸はかなり激しいよ」」

二人が声をハモらせた。

どちらからともなく、笑いあい、再びキスをした。

いまは、お互いの存在を確かめ合うような、深い深いキスだ。

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