◆ナイトメア~引っ越し~【ホラー短編】
もう一度耳に受話器を当ててみたが、やはり何も聞こえない。
もしかして、故障なのかな?
私は諦めて電話を切った。
ピンポーン! ピンポーン!
「あ、はいはい」
誰だろう?
小走りに玄関に向かう。
カチャ。
ぎいぃっ――。
重いスチール製のドアをゆっくり開けた。
廊下は既に、闇に包まれている。
常備灯の微かな明かりの中に、黒い人影が立っていた。
「あ――」
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