彼は
彼は続ける。
彼は"他人"である私に話してくれた。
「物心ついて、自分の身の危険を予知できるようになった年齢の時に殺した。殺される前に殺さないとと思って」
『殺される前に殺した』
深い事情が有ったのだと察した。
こころなしか、彼の表情が悲しげに歪んだような気がした。
「14歳未満で責任年齢に達していなかったから処罰は受けなかった。自立支援施設という場所でここまで育てられた」
私の目から見る彼は、とても寂しそうだった。