君との距離は1メートル 【完】


よし。隣の部屋には電気がついてない。
おそらく寝てるか下に行ってるかだな。


私はすぐに部屋の中に入ってさっき男の子と鉢合わせたベランダに出た。ここは日よけがないから寝っ転がりながら星が見える。


「きれぇーー…」



流石田舎…というか自然豊かなおかげか星が前に住んでた場所よりも澄んで見える。

ぺりぺり、とオニギリのシールを剥がしてかぶりつく。

9月の心地よい気候と風が私を包み込む。



私…いい場所に越してきたな。

この部屋を自分の部屋にできないのは惜しいけど、隣がいない時を見計らえばいいもんね。


ガバッと起き上がって夕方に見た海の方向を見る。

流石に音はしないけど、なにか黒いものが…林とは別のものがあることは分かる。月が雲に隠れて出てないから海とわかりにくいけど、きっと月が出たら綺麗なんだろうな…。


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