君との距離は1メートル 【完】



下に行ってお盆にポットとカップ、ココアとコーヒーをのせる。



お母さんはまだ部屋で寝てるみたい。




「おまたせ〜」




また部屋に戻ると、光君はテーブルのそばに座っていた。



「コーヒーとココアあるけど、どっちがいい?」



お盆をテーブルに置いて聞く。



「ココアがいいな」


「分かった。…てか、甘いの好きなんだ?」



なんか可愛いな。ついついぷっと吹き出してしまった。



「そーだよ。好きだよ甘いの。悪い?」



「ううん。可愛いなって思っただけ」


ゔっと言葉に詰まる光君が面白い。男の子なのに可愛いなと思ってしまう。


「ココアどうぞ」


光君のために粉を多めに入れたココアを差し出す。


「ありがとう。いただきます」


光君の分を入れ終わって自分の分を作っていると、下からガチャッと鍵のあく音がした。



光君も気づいたようで目で「誰?」と聞いてきた。


「お父さんだとおもう。今日遅くなるって言ってたからね」


「そっか…。俺ここにいて大丈夫?」


不安そうに聞いてきた光君に私は頷く。


「大丈夫だよ。お父さん2階には来ないと思うから」


私はそう言って暖かいココアを一口飲んだ。
< 69 / 384 >

この作品をシェア

pagetop