秘密な約束〜強気彼氏の悪魔な選択!?〜
「先生に喧嘩売ったら駄目だろ?」



「売ったんじゃない!買ったの」



教科書を仕舞い、何も無くなった机の上に両肘を置き、頬杖をつく。



「美優はさ、単位ギリギリなんだからコレ以上先生に睨まれたら留年しちゃうかもよ?」



「そりゃ…困る」


声の小さくなった私の頭を光城が撫でる。


「じゃあちゃんと授業聞きなさい」



二人に叱られて落ち込み気味になりながらお弁当を取り出し、光城にも渡す。



東京から帰って来て、本気でお金の無くなった光城は、私にお弁当を作ってこいと命令を下していた。

それからほぼ毎日、寝坊しない限りは頑張って作っている。


学食で良いのに光城は、「女に払わせなくねぇ!」っていう変なポリシーを持っていた。



仕方なく、お弁当を作る羽目になった私だけど、料理っ嫌いじゃないから苦ではないんだ!



まっ、冷凍食品ばっかだけど…。




お土産で買ったミニーちゃんのナフキンを解き、お弁当の蓋を開けた瞬間、ミニグラタンのチーズのニオイが私の胃を刺激した。










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