方言男子に恋をした
「詩織先輩♪」


そんなセンチメンタルな私の気持ちなんかお構いなく声をかけてきたのは後輩の美宇ちゃんこと、広瀬美宇。24とまだまだ若く、しかも今時女子といった雰囲気。可愛いの一言につきる。


「何しけた顔しているんです?」


しかし何故か言葉が容赦ない。
特に私に対して。
別に間違いではないし(というか当たっているし)、すっかり慣れてしまった私は


「うるさいわね。そういう気分なのよ」


と、軽く流せるようになった。
こんな返しに美宇ちゃんは「そうですかー」と、こちらも慣れた風に返事するのだ。


「あれ?もしかして俺らラスト?」

「そうみたいですね」


そう言いながらやってきたのはもちろん私の後輩。
27の平沼涼と新入社員の小林総。
平沼君は茶色のふわふわした髪の毛で、美宇ちゃんは「犬みたい」と言っていた。
それには私も同感。見た目はもちろんだが、性格が人懐っこくて素直で本当に犬みたいなのだ。

そんな平沼君の横でニコニコと微笑んでいるのが小林君。
ザ・草食系男子といった感じ?
穏やかだし、私たちの癒しである。


「じゃあそろそろ始めようか」


全員揃ったところで、私は3人に声をかけた。
< 2 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop