方言男子に恋をした
7.心臓に悪いです

昼休み。

言われた通り私は広報の資料室にいた。
広報の資料室は薄暗い上に埃っぽい。

理由は全く掃除がされていないから。

まあ確かに、今時紙の資料なんて見なくても大体はパソコンで見れるし、誰も好んで来ないだろう。
だから掃除する必要もなければ、する人もいない。

私でも最後に資料室に入ったのがいつだったかなと考えるくらい前の話だ。


「遅いなー…」


昼休みが始まって既に10分が経過。
佐久間が訪れる気配は無し。

もしかして騙された?

そんな考えが頭をよぎったが、そんなことはないだろうと一人頭を横に振った。

…私を騙したところであの男には何の利益にもならない。


「…じゃあ何なのよ」


私の貴重な昼休みを返してほしい。

今日は昼休みの後すぐに常務秘書と対談の打ち合わせに入らなければならない。

その前に通常業務の進行状況とか、応援に関することなんかも詳しく耳に入れておきたい。

この10分で出来たかもしれないわ…。

大きく溜め息をつきながら、チラリと腕時計を見る。
数分過ぎていて、もう一度溜め息をつきそうになった時。
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