僕と蒼

海神村人魚伝説

『海神村人魚伝説』


そう名付けられた伝説の内容はこうだった。



−−−−遠い昔の事。

堂々たる萌黄山(もえぎやま)と深い蒼の大海に守られた穏やかな村があった。


その村は自然に恵まれ、それに感謝をした村人たちは萌黄山に神を祀る為の寺を建立し、麓では田や畑を耕した。


村はまるで神の恩恵を賜るかの様に天候に恵まれ、毎年豊作を祝う祭りを催す程であった。


そんな村にとある噂が広まった。


『海に人魚が現れる』


一人の青年が言った。


『夜の真っ黒な海の中に輝く様に人魚が現れた。』
< 12 / 14 >

この作品をシェア

pagetop