僕と蒼

海神村人魚博物館

翌朝。

僕は、祖父が畑に向かうエンジン音で目が覚めた。


寝ぼけまなこのまま部屋を出て居間に行くと、食事の用意がされていた。


「もう起きたのかい?それ、達也の分だから食べちゃいな。」


僕に気が付いた祖母が声をかけてきた。


「うん。いただきます。」

僕はご飯が並ぶ前に座り、食事を口にした。


祖母の作るご飯は美味しい。


今日は昨日の暑さが嘘の様に涼しく、縁側の戸が開かれ爽やかな風が吹いていた。


朝の充実した時間を過ごし、僕は食事を終えた。


空いた食器を台所まで運ぶと、祖母が洗い物をしている所だった。


「持ってきてくれたのかい?ありがとうね。」


祖母は優しく笑う。


「うん。」


しかし、僕はそれに上手く返す事ができない。


僕はそそくさと洗面所に駆け込み、顔を洗った。


そして、部屋に戻り着替えをした。


今日は、昨日母親が振り込んだお金を引き落として、祖父母に今月の生活費を渡さなくてはいけない。

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