私の王子様を見つけました
社長が何処かに電話してどなっているけど、相手は誰なの。


相手の人が可哀想だとのんきに思っていると。



「紗綾、なんなんだの部屋の汚さは。」


電話の相手は紗綾姉なの。



なんで、どうして、訳が分からない。



紗綾姉と拓斗は未だに繋がっていた訳ですか。


ずっと拓斗を探してたのを、紗綾姉は知っていたはずなのに。


「分かった。真凛は俺のマンションに連れていけばいいんだな。」


ちょっと、待って。


私の意見は聞かないつもりですか。



「俺のマンションはいくつものあるんだから、何を勘違いをしてるか知らないけど。」



別に勘違いなんかしてない。



社長様はマンションの一つや二つお持ちでしょうねぇ。



恐る恐る声に出して聞いてみた。



「社長は紗綾姉から頼まれたから、このアパートに来た訳でしょうか。」



「あぁ、紗綾が自分は今直ぐに真凛の所へ行けないから、家賃をため込んで水道も電気も止められたから、そうを言われた。」



嘘だ。



水道も電気もガスもだ。



夜シャワーを浴びなかったから、気がつかなかった。


水も出ないし、ガス使えないなら、カップ麺も食べられない。



どうしよう。



どうしたらいい。



汚い部屋の中をウロウした。



「おい、落ち着け。部屋は俺が用意したし、 ルミエルの専属モデルにしてやるから、それなりの給料も出るし、しばらくは大丈夫だろ。」



そうだすね。


今は拓斗じゃなくて、社長に頼るしかないみたいだ。



嫌だけど、こんな関係望んでないけど、生きていく為には仕方がない。



よろしくお願いしますと頭を下げた。











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