私の王子様を見つけました
コンビニに社長の外車で行くとは思わなかった。


おまけに社長は白のスーツに、黒のYシャツにピンクのネクタイ。


これじゃ、どうみてもホストだわ。


私は今年の冬にルミエルから売り出す、ピンクのワンピースを着せられた。


売り出す前に私が着て良いものなのか。


「そのワンピースはおまえのためだけにデザインした。売り出すつもりはない。」



え、えぇ、これって喜ぶ所ですよね。


私の為だけにデザインしただなんて、恐れ多くて、本当困ります。


嬉しくないと言えば嘘になるけど。


「社長にそんな事言われても、どうして良いのか分かりません。」


「おまえが母親に貰って喜んでたワンピースに似てるだろ。あれをイメージして作ったんだよ。おまえにしか似合わない。」


ここは喜んで置くべきですよね。


感情を込めずに、ありがとうございますと頭を下げた。


本当におまえは可愛くないと言われたけど、急に優しくされても困ります。


拓斗に優しくされたのはいつぶりだろうか。


はるか遠くで、忘れてしまったけど。


真凛は可愛いと抱きしめてくれてのは、いつだったかな。


拓斗はいつも優しいお兄さんだった。


私が告白なんかしなければ、そんな関係でいれたのかもしれないね。










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