ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「あ、あの、じゃあお礼にお茶でも」


ここまで心配してくれて、送ってくれたのに、本当に最後まで見届けさせるだけで帰らせるのは……


「は?」


えっ?


なんでそんな怪訝そうな顔をするの?


「美乃里さ、バカなの?」


「は……はい!?」


今バカって言われました!?


いや、確実に言われたよね!?


「何のために、俺がここで見送ると思ってんの」


「何のためって……」


考えてみるけど、答えは見つからない。


「はぁ―……。お前さ……」


――グイッ


「きゃっ!!」


突然腕を引き寄せられて、そのまま工くんの腕があたしの腰に回った。



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