運命の人
卒業
文化祭後、綾野は学校に来たり来なかったりを繰り返していた。
わたしは部活に力を入れていた。
三年生になると受験シーズンだが、わたしたちには駅伝があって引退まで長い。
結果はいいとこまで行ったが負けてしまった。
実樹と抱き合って泣いた。
そんな部活の最後。
引退後は受験。
無事わたしは行きたかった公立校に受かった。
実樹は近所の公立校、宮沢も同様。
加宮さんはなんと東京にいった。
綾野も頭のいいとこの高校に入学。

卒業後、卒業書を片手に誰もいない二年二組に行って、あの窓際の一番後ろの席に座ってみた。
懐かしい風景。
隣には綾野、前の席には加宮さん、斜め前が宮沢。
「タコさんウインナー返してください!」
「やだよーだ!」
「ガキかよ馬鹿」
「やめなよ〜」
そんな会話が聞こえそう。
「…楽しかったなぁ」
そう呟いて、わたしは席を立って教室から出た。
こうしてわたしの中学校生活は終わった。
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