運命の人
高校生

出会いの季節

入学式。
家から駅までバスで行ってそこから電車でひと駅。そこにわたしの高校がある。
少し古くて大きな学校。
スポーツが強い高校で、グランドや体育館が広い。
迷子になりそう。

そして迷子になった。
何階だかもわからない。
「困ったぁ…」
わたしはとりあえずウロウロするが解決策はない。
「どうしたの?さっきからウロウロしてるけど…」
教室から1人、男の人が出てくる。
黒の短髪で黒ふちのメガネ。インテリな感じ。
上履きの色が同じだけど、同級生かな?
にしては大人びて見える。
「す、すいません…迷子になってしまったんです…」
わたしの言葉に男の人は笑った。
「そっかそっか、俺も前に迷子になったことあるんだよね」
過去形?
「あ、そうだ案内してあげるよ。こっち」
男の人が笑顔で右側を指さす。
「ありがとうございます…あの、あなたも新入生ですか?」
わたしの質問に男の人は笑う。
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