運命の人

幼なじみ

綾野のおかげで本鈴前に間に合った。
また迷惑かけちゃったなぁ。
席に着くと斜め前の宮沢が前を向いたままだけどわたしにピースしている。
綾野がきたのは、宮沢がなにかいったのだろう。
加宮さんはわたしが来ないことにえらく心配していたようだ。
机の上にシャー芯がたくさん折れている。
いつも朝早くから一人で勉強をしている。
勉強熱心にもほどがある。
隣の綾野は何故かニコニコしている。
いいことがあったのだろうか?

「由梨香ー!」
実樹が朝のHR後に飛び込んでくる。
「どうしたの?」
「今日一緒にご飯どう!?部活OFF!」
すごく嬉しそう。
今日予定ないし、久々に遊びたい。
「うん!いいよ!」
わたしの言葉に嬉しそうな顔をして喜ぶ実樹。
「ほら、1時間目始まっちゃうよ?」
「あ、はやい。じゃあ放課後迎えくる!」
まるで台風が去ったように静かになる。
< 35 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop