初めての恋はあなたと。番外編
2.可愛い彼女

和也side


11月もあと数日で終わる今日この頃。
取引先から戻ってきたのは19時前だった。

営業フロアのある6階へ向かうと、電気はほぼ消えかかっていて暖房も切られていた。
そもそも6階自体の暖房も切られていたため、大体予想はしていたが。


「寒いな…」


呟くと同時に白い息が出る。
もう少し資料をまとめようと思っていたがどうしようか。

しばらく考えた結果、まとめることに決めた俺は自分のデスク周りの電気を点け暖房を点けた。

部屋が暖まる間に何か飲むものを買おう。
ちょうど持参した飲み物もなくなったし。

そう思った俺は、小銭をポケットに入れ自動販売機へ向かった。


自動販売機は休憩コーナーと言われる小さめの部屋にある。
イスなんかもあり、社員の憩いの場と化す時がある。

ん?開いてる?

部屋の前に来て気付いたのは、ドアが少しばかり開いているということ。
特にこの時期は暖房のせいもあるのか閉めっぱなしだ。
廊下も暖房があるものの、あまり効果がなく寒いからだ。

だから開いているのはおかしい。
< 4 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop