Task Force-特別任務部隊-
「何を言うか!」

ドーベルは開き直ったように声を張り上げ、そばにいた兵士達を次々と突き飛ばす!

「お前も!お前も!お前もお前もお前もお前もお前も!ここにいる全員!」

ドーベルは怒鳴る。

「全員兵士だ!戦う為に訓練を受け、戦う為に鍛えられた兵士!お前達、平和になったらどうするつもりだっ?無能な国民達は言うぞ、『軍縮しろ』『軍備を縮小しろ』『戦争の為の兵器なんて要らない』…お前達は平和な世界には必要のない人間なんだ!」

両手を広げ、ドーベルは叫び続ける。

「戦争があるからこそ、お前達は生きていられるんだ!ベトナム戦争を見ろ!」

どの時代のどの国や地域でも、兵士が戦場から生きて帰ったら、親子・祖父母と孫・兄弟・姉妹・配偶者・恋人・友人・地域社会の人々・職場の人々のいずれも、生きて帰った事を喜び歓迎し、戦地での苦労を労い、国家に対する貢献を讃え、政府は勲章を授与する。

ただし、その歓迎ムードはごく一時的なものであり、多くの帰還兵の労苦はすぐに忘れられ、時に偏屈な厄介者として扱われる。

また戦争やそれを推進した政府や軍や議会の責任までもが、理不尽にも将兵に負わされ、非難される例も多い。

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