Task Force-特別任務部隊-
アインザッツグルッペン。

それが部隊の名称だった。

正式名称は『保安警察及び保安部のアインザッツグルッペン』。

意訳で『特別行動部隊』『特別任務部隊』という表記もよく見られる。

それ以外には『移動虐殺(もしくは殺人・抹殺・殺戮)部隊』といった意訳も見られる。

「移動虐殺部隊…だと?」

「ああ、そうさ」

驚愕するガイストに中佐は笑う。

ポーランド侵攻以前のアインザッツグルッペンの銃殺活動は主に知識人・聖職者・政治家など指導層を対象とした。

対して独ソ戦におけるアインザッツグルッペンは、ユダヤ人やロマ、共産党幹部などを対象に銃殺を行った。

都市が陥落するとアインザッツグルッペンはその都市の『敵性分子』を集め、森や野原に追いたて、そこで銃殺して遺体を壕に埋めた。

銃殺だけではなく、ガス・トラックによる虐殺も行われた。

アインザッツグルッペンの虐殺行動は一面ではパルチザン(民間人に成り済まして攻撃を行うゲリラ)掃討の意味も持っていたが、各隊隊長達の殺害報告書には『ユダヤ人』などと人種の項目も独立して記載されていた為、単なるゲリラ掃討部隊とは認められていない。

ホロコーストの一翼を為すものであったとする見方が大半である。

またパルチザンと何の関係もない民間人も大勢『パルチザン』ないし『共産主義者』と勝手な認定を受けて虐殺されていった。

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