俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
『オレと結婚する、それが条件だ』

そう言った貴洋は、ニコリと笑った。

舞は息を呑む。自分が思った通り、英志から離れなければ、

英志の未来はない。


…目の前にいる舞を見て、貴洋は優越感に浸っていた。

死んだ彼女よりも、好きになった舞。

だがしかし、今はそんな事はどうでもよかった。


英志が憎かった。

何もかも、自分のモノにしてしまう英志が。

貴洋が欲しかったものすべて、英志が奪っていく。


だから、舞を、自分のモノにしたかった。

英志が唯一ライバルだと思う長嶋コーポレーションを使って、

英志からすべてを奪い去ってしまいたかった。


「…私がその条件を呑まなければ?」

『もちろん、岡崎の情報は流れ、岡崎は確実に潰れるだろうね』


舞は思った。

必ず舞は守る。

そう言ってくれた英志を、こんな自分でも守れるなら。

自分さえ犠牲になれば、すべてが丸く収まるならと。


「…分かり『ピりりりりり』

応えに重なって携帯が鳴る。

貴洋の携帯だった。
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