俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~

スキャンダルな彼女の憂鬱

それから約束の週末まで、舞は貴洋との事ばかり。

そのおかげか、周りからの好奇の目も、噂も、

全くと言っていいほど耳に入ってくることはなかった。


そして土曜日。

本当なら仕事は休みなのに、突然の上司命令で、

午前だけ会社で仕事をする羽目に。

貴洋とこっそり交換していた携帯に、約束は午後からに変更してもらった。


「もう、こんな仕事、部長も自分ですればいいのに」

そんな事をブツブツと言いながら、必死に仕事をこなしていた。


・・・ガタッ。

ビクッ!!


今日はこの部署には誰もいないのに、物音がして肩を震わせた。

外は明るいと言うのに、舞は怖くて仕方がない。

小さい頃から、兄にやたらと驚かされたせいで、トラウマになり、

大人になった今でも物音ひとつで怖くなる。


舞は、恐る恐る、辺りを見回す、が。

誰もいない。

ホッと溜息をつきながら、ドアの方を見て舞は、驚き目を見開いた。


「土曜なのに仕事か?」

「・・・・」

「お前の上司は、人使いが荒いみたいだな」
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