結びの魔法
第四章 ムカシバナシ
昔々、この世界はまだ生命がいませんでした。そこへ一人の青年がやってきました。そ

の方こそがわれわれを生んでくれたワルドリー・ウェザーフィールドです。今はワルド

様と呼ばれています。ワルド様は地球で他の世界へ移動する研究をしていましたそし

て成果は実り、この世界へたどり着いたといいます。けれど何の生命もいないこの星で

は、ただむなしいだけでした。しかし、移動はワルド様一人で精一杯。人を連れ込むこ

とはできません。そうしてワルド様が悩んでいると、木の精霊に出会いました。精霊は

長年話し相手がいなっかたのでワルド様をいたく気に入りました。そして次に水の精霊

に出会います。水の精霊もやはり話に飢えていたようです。こうしてワルド様は多くの

精霊に慕われました。ある日ワルド様はこの世界に生命を生み出したいと精霊たちに相

談しました。すると精霊はワルド様に魔力を与えました。魔力を手に入れたワルド様は

さっそく生命錬成をなさいました。初めは良く分からない怪物ばかり。けれど、あきら

めず錬成を続けていくと、初めて小さな虫を生み出すことができました。それからさら

にさらに錬成をし、だんだん大きな生物も作れるようになっていきました。そして時は

流れ、ついにワルド様は人を生み出すことに成功しました。ワルド様は彼女にティアと

言う名前をつけました。そして自分の妹のようにかわいがりました。けれど、いつの間

にか兄弟の枠をこえ、ワルド様はティアを愛するようになってしまいました。ティアに

はほしいものを何でも与え、なんでも自由にやらせて上げました。しかしある日ティア

は友達がほしいといいました。それは小鳥や妖精などではない、同じ人間のです。けれ

ど、困ったことにワルド様はティアに自分の力の半分以上を分け与えました。なのでも

う人を作ることはできないのです。ワルド様はそれを知っていましたが、愛するティア

のため毎日錬成をやり続けました。それが原因でワルド様の心と体はしだいに蝕まれて

ゆきました。
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