みんな仲良いよね、そうゆーこと。


「バカだよねほんと。本当に平凡でありきたりで何も取り柄がないそんな主人公の話なんて誰が読むのさ。どんなドキドキワクワクが詰まってるのさ。ねーよ。そんなのてめーの人生でわかってんだろーが」

「……」

「それを勘違いしてフツーの俺カッコいい、フツー過ぎるとか逆に個性溢れてると信じ切ってる姿を見ると捻り潰してやりたくなります。それこそ某ガキ大将のようにギッタギタのメッタメタにしてやるよな気分です。メガネのあの子も走って逃げます」

「……」

「だからつまり何が言いたいかというと、フツーで平凡な俺を推してくるのはやめて下さい。フツーが個性と思わないで下さい。あたしはみんなにそんな自分で満足していて欲しくない。平凡でいい、みんなと一緒でいいとは言わず、もっと貪欲に、可能性に満ち溢れた素敵な人間になってもらいたい!そうあたしはいつも心の中で思っています!青年よ、大志を抱け!」

「……」

「だから水森。そんな君はまず口癖でも考えてみよう」

「アレだけ語っておいてそんな安易な個性付けか」

「何が良い?~ッスだとスポーティーな感じにみせかけてのバカ路線ね。まぁずっと後輩感あるし、パシられ上手の水森にはお似合いかと」

「…酷い言われようは置いといたとしても、まさかのそんなに目立たない結構実用的なの来て俺は驚いてるよ」

「え、何?結局目立ちたいの?じゃあ語尾はやめて単語でいく?じっちゃんの名にかけて?」

「あれって口癖っつーか決め台詞だろ」

「えー?じゃあこんなんは?なんだかんだと聞かれたら、」

「答えてあげるが世の情け…って、これはもう完全に違う!しかもこれ一人じゃ出来ないだろ!」

「そんな時のお助け藤野ちゃんよ。いつでも手伝っちゃう☆」

「嘘だね。遠くから冷めた目で見てるおまえが目に浮かぶ。その頃にはブーム去ってるおまえがハッキリと見える」

「もーう!文句ばっかで先に進まないぞ☆あ、いいじゃんこれは?~だぞ☆」

「絶対嫌だぞ」

「惜しい!☆が!」

「いらねーよ!」

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