佐々倉のカノジョ。
真実を
「嵐くん、お願い、話が聞きたいの。なにがあったの?」
「…今の着信。なんか聞いたのか」
「…」
なんて言ったらいいのかわからなくて、思わずぐっと、携帯を突き出してしまった。
嵐くんはそれを無言で受けとると、数分後に返してきた。
「ちっ……クソ女が。お前もコイツと関わるのやめろよ」
スッ、と立ち上がると、嵐くんは上にジャージを羽織って、財布をもった。
なにをする気なんだろう、と考える私に嵐くんは言った。
「夜食買いに行こーぜ」
「へ?」
あまりの想定外さに、間抜けな声がでた。
夜食?
なに考えてるのかさっぱりだよ…。
「アイツらはどーせ俺が寝たとこにでも来ようとしてるんだろ。だったら俺らはその裏をかこうってわけ」
まぁ、ようするに外で待ち伏せな。
と嵐くんは付け加えた。
「だから、夜食買いにいくんだよ」
「…」
なんだかまだ聞きたいことはいっぱいあるけど、それは夜に聞こうかな。
傷害で捕まったなんて言うから、今から突然殴りにいこうなんて言い出すかと思った。