佐々倉のカノジョ。



「ちょーどいいとこに来たな」


「っひゃ」


渚は璃乃の首に腕を回して引き付け、持っていたナイフを璃乃の首辺りに突き立てた。



「!、てめっ…」


「コイツを殺されたくなかったら……わかってんだろうな」


「…」



色々と面倒なことになったな…。


このままじゃ璃乃はほんとに殺られちまうしな。


俺が数秒考えをさ迷わせていると、そこへとある人物がやってきた。


「よーっ、嵐ー!んなとこでなに突っ立って……って、えぇ!?」


「……ツル」


なんつータイミングで……。

だけど、これで戦力が増えたな。


「ツル、つべこべ言わずに聞いてくれ、アイツから璃乃を取り返せ」


「わかるわそんなもん見れば!!」


「うるせぇ騒ぐな近所迷惑だ」


「理不尽だなほんとにお前は!!……まぁ、騒いでる余裕もないしな」


ツルの目の色が変わる。

ケンカするときの目だ。


「いっちょやるか!……と言いたいとこだけど、」


「なんだよ、殺れよ」


ツルは親指を突き立てるとそのまま後ろに向けた。

「ほれ」


「警察だ、動くな。そこのものは直ちに刃物を下ろせ」


「!?」


警察!?



「なっ、まじかよ、ちくしょっ!!」


渚が璃乃を突き飛ばし、逃げだした。


その衝撃といろいろなショックもあってか、璃乃は倒れ気を失ってしまった。



< 49 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop