佐々倉のカノジョ。


行き交う生徒の合間をぬって、隣の空き教室に向かう。

クラスにいたらバレちゃうしね。


……嵐くんは平然としてるけど、私は緊張と言うかなんというか、複雑な気分。


うう、やっぱり怒られたらやだし、戻ろうかなぁ……。

ちょいちょい、っと嵐くんの裾を引っ張って


「ねぇ、嵐くん、私やっぱり戻ろ…」


うわぁ、何て言う怖い顔してんのよ嵐くん。

やっぱりケンカはやめても昔の面影は残るのかな。


「あ……れ?」


なにこれなにこれ、なんか、高い?よ?


うそっ!?


「ちょっ、嵐くん担ぐのはさすがに!」


「お前がうるさいからだろ」


「うるさくないもんんん!」

こわいよ!

おろしてぇぇ!




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