佐々倉のカノジョ。



ひょいっと上から嵐くんの顔を覗く。

と、同時に開かれる目。


えっ、と思った瞬間には私の体は嵐くんの腕のなかだった。


「引っ掛かったな」


「う、寝たフリ!?」



嵐くんの心音が耳を通して頭のなかに響く。

あはは、こんなにドキドキしてる、嵐くん。

急に愛しくなって抱き締める。


「…んだよ、いつもそんなんしねぇだろ…」


「今日だけ~…」


仰向けの嵐くんが私の体を軽く上げて視線を合わす。


次の瞬間には唇を重ねていた。


「……?」


あれ?


いつも直ぐに離すのに。


な、長くない?


「……んーっ!!」



とんとん、と嵐くんの肩を叩いても離してくれない。





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