豆粒の悪戯
7.双子
ドンッ。鈍い音がした。

痛い…。折角眠っていたのに壁に頭をぶつけて起きてしまった。

可笑しいな…。寝相はいいから壁によるほど転がることはないのに…。

今何時だろう。中途半端に二度寝すると起きられなくなってしまう。

時計をみようとしたとき、

私の横で誰かがすっぽり布団を被って寝ていることに気づいた。

つまり、私に添い寝していたことになる。

誰?この家には紘子さんと私しかいない。

紘子さんがこんなことをするわけがない。

私は気味が悪くなって布団を思いっきりめくる。

そこで眠っていたのは知っている顔だった。

いや…知っているというか…何年も見ている顔っていうか…。

私は夢を見ているのだと思い、もう一度横になり、目を瞑った。

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