甘いキスのねだり方
相合傘の相手
あたしたちの部活掛け持ちライフが

定着した頃、関東は梅雨入り



自転車は危ないから電車で通学する


電車内は蒸し蒸しするし

誰かの傘が足に当たるし辛い



降車駅で高校生の波に押し出されながら

電車を降りて改札を通る



駅舎から出ると

傘の花が次々と咲いた


周囲の人に当たらないよう気をつけて

あたしも傘を開く



「俺も傘入れて」


弥彦があたしの手から傘をとる


「弥彦も自分の傘持って来てるじゃん

使いなよ!」



「俺まで傘使ったら余計道幅とるやん

せっかく大きい傘持ってんねんから

2人で入った方がええやろ」



確かにあたしの傘は大きいけどさ
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