不機嫌なアルバトロス
「うん。後はなんとかする。たぶん彼女は俺がいなくなっても絶対にいつか帰ってくると信じておばあちゃんになっても待っているだろうね」


確信を込めて言い切る彼の言葉に、相手が不憫に思えて仕方ない。


「わかりました…」


気づけば承諾していた。


「二週間!二週間だけですから!」


彼が何か言う前にまくしたてる。


「じゃ!また!会社に遅れると困るので!私もう行きます!」


振り返ることなく車のドアに手を掛けた。
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